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「濃度管理は地球を救う/1滴の無駄をなくす「個人の流儀」とコスト30%減の魔法」をブログに公開しました。

濃度管理は地球を救う/1滴の無駄をなくす「個人の流儀」とコスト30%減の魔法
「工場の扉を開けた瞬間のあの臭いが憂鬱だ……」
「また手荒れで若手が辞めてしまった」
「コスト削減を言われるが、これ以上工具費は削れない」
現場を預かる皆様、このような悩みを抱えていませんか?
実は、これらのトラブルの8割は「切削油(クーラント)の濃度管理」で解決できます。
多くの現場では「とりあえず白ければOK」「減ったら水を足せばいい」という感覚的な管理が行われがちです。しかし、近年の高性能な工作機械や難削材加工において、クーラントの濃度ズレは致命傷になりかねません。
ジュラロン株式会社では、単なる油剤の販売だけでなく、現場の「困った」を解決するパートナーとして活動してきました。
今回は、カタログには載っていない、現場ですぐに実践できる「本当に正しい濃度管理の流儀」を公開します。これは、コストを削減し、従業員の健康を守り、ひいては廃液を減らして地球環境を守るための具体的なアクションです。
現場が悲鳴を上げる前に。「濃度管理」がなぜ最強のソリューションなのか
「たかが水、されど水」とはよく言ったもので、水溶性切削油の90%以上は水です。しかし、残りの数%〜10%の原液成分(界面活性剤、潤滑添加剤、防錆剤など)が、驚くほど精密なバランスで設計されています。
このバランス(濃度)が崩れると、現場には次のような「災害」が降りかかります。
1. 濃度が薄すぎる場合(推奨値より低い)
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腐敗・悪臭: 防腐・防カビ性能が低下し、バクテリアが爆発的に繁殖します。あの「腐った卵」のような臭いの原因です。
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サビの発生: 防錆添加剤が不足し、加工ワークや機械のテーブルが錆びつきます。
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工具寿命の短縮: 潤滑性が足りず、チップやドリルの摩耗が早まります。
2. 濃度が濃すぎる場合(推奨値より高い)
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手荒れ・皮膚炎: アルカリ成分や添加剤の刺激が強くなり、オペレーターの肌を攻撃します。
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ベタつき: 機械内部や窓、床が油でベトベトになり、清掃の手間が増えます。
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コストの無駄: 必要以上の原液を消費するため、単純に購入コストが跳ね上がります。
つまり、適切な濃度(メーカー推奨値の中心)をキープすることこそが、最も投資対効果の高い改善活動なのです。
その数値、本当に合っていますか?ジュラロン流「正しい測定」の儀作法
「毎日測っているから大丈夫」とおっしゃる現場でも、詳しく見ると測定方法が間違っているケースが多々あります。
ここでは、プロが行う測定の「作法」を伝授します。
意外と知らない「換算係数」の落とし穴
多くの現場で使用されているハンディタイプの「糖度計(屈折計)」。覗くと青と白の境界線で数値が出るあれです。
実は、あの目盛りの数値は「濃度そのもの」ではありません。
切削油には「換算係数(Brix係数)」というものが存在します。
例えば、換算係数が「1.5」の油剤の場合、糖度計の目盛りが「4.0」を示していても、実際の濃度は以下のようになります。
実際の濃度 = 計測値(4.0) × 換算係数(1.5) = 6.0%
もし、これを知らずに「目盛りで10%に合わせよう」とすると、実際には15%という超高濃度で使用することになり、コストの浪費と手荒れの原因になります。必ずお使いの油剤のSDS(安全データシート)を確認するか、メーカーに問い合わせて「換算係数」を把握してください。
採油場所で数値は変わる!正しいサンプリング位置
タンクのどこから液を採取していますか?
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×ダメな例: タンクの隅っこ、液が淀んでいる場所、浮上油が浮いている表面。
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◎プロの流儀: クーラントポンプから吐出された直後の**「ノズル」から採取**する。
タンク内は攪拌されているようで、実は濃度ムラがあります。実際に加工点にかかる液(ノズルから出る液)を測らなければ意味がありません。
また、測定前には必ず「ゼロ点合わせ」(水だけで0を示すか確認)を行ってください。
「減ったから水を足す」は絶対NG!長持ちさせる補給の鉄則
濃度管理において、最もやってはいけないタブー。
それは、「タンクに直接水を入れ、その後に原液を入れる(またはその逆)」ことです。
なぜ「原液ドボドボ」が乳化破壊を招くのか
水溶性切削油は、水と油を界面活性剤で無理やり仲良くさせている(乳化している)状態です。
タンクの水の上に原液を直接注ぐと、接触面で濃度が一時的に100%近くになります。するとバランスが崩れ、「ゲル化」したり、成分が分離して「分離クリーム(スカム)」が発生したりします。
これがフィルター詰まりや、ベタつきの主犯格です。
理想的な「プレミックス補給」の手順
ジュラロンが推奨する補給方法は「プレミックス(希釈液補充)」一択です。
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別のバケツやポリタンクを用意する。
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水を計量する。
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必要な量の原液を投入し、よく撹拌して**「適正濃度の希釈液」**を作る。
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作った希釈液をタンクに補充する。
「忙しい現場でそんなことやってられない!」という声が聞こえてきそうですが、これを行うだけで液の寿命(更液サイクル)は1.5倍〜2倍に伸びます。
もし手作業が難しい場合は、水圧だけで一定倍率の希釈液を作れる「自動希釈器(ミキシングバルブ)」の導入を強くお勧めします。数万円の投資で、数十万円分の油剤コストが浮きます。
【実録】濃度管理でどれだけ変わる?コスト削減ビフォーアフター
実際に、ジュラロンの指導のもと、濃度管理を「感覚」から「数値管理」へ徹底的に見直したA社様の事例をご紹介します。
年間コスト削減シミュレーション(MC 10台稼働の場合)
項目改善前(習慣に基づいた管理)改善後(濃度管理徹底)削減効果平均使用濃度12.0%(濃すぎた)8.0%(適正値)原液使用量 33%減更液サイクル3ヶ月に1回(年4回)6ヶ月に1回(年2回)廃棄費・作業費 50%減手荒れ相談件数月2〜3件半年に1件従業員満足度UP年間トータルコスト240万円150万円90万円の削減
いかがでしょうか?
「濃度を測って、正しく作る」。たったこれだけの作業見直しで、年間約100万円近い利益が生まれた計算になります。これは、新規の仕事を獲得するのと同じくらいの価値があります。
現場でよくある質問(FAQ)とトラブルシューティング
ここでは、現場担当者様からジュラロンによく寄せられる「リアルな悩み」にお答えします。
Q1. 週末明け、液面に油がびっしり浮いています。どうすれば?
A. それは「他油(潤滑油や作動油)」です。液面を覆うとバクテリアが繁殖しやすくなります。オイルスキマー(ベルト式除去機)を稼働させるか、専用の吸着マットでこまめに除去してください。「空気を触れさせる」ことが腐敗防止の第一歩です。
👉 関連するお悩み:他油分離性に優れた油剤選びについては、こちらの記事もご覧ください(内部リンク想定)
Q2. 濃度計の数値がぼやけて見にくいのですが?
A. 乳化粒子が大きくなっているか、他油が混入して濁っている可能性があります。油剤が劣化しているサインです。一度、更液を検討するか、当社にご相談ください。
Q3. 夏場だけ濃度が急上昇します。なぜ?
A. 気温が高く、水分の蒸発が激しいためです。夏場は「設定濃度より薄めの希釈液(例えば1〜2%)」を作って補充し、タンク内濃度を調整するテクニックが必要です。
Q4. pH(ペーハー)も測る必要はありますか?
A. 必須です!濃度が正常でも、pHが8.5を下回ると腐敗のリスクが急増します。pH試験紙で構いませんので、週に1回はチェックし、数値が下がってきたら「pH調整剤」や「防腐剤」の投入、あるいは新液への入れ替えを検討してください。
Q5. 良い濃度管理表のフォーマットはありますか?
A. 複雑なものは続きません。「日付」「室温」「計測値」「補給量」「担当者サイン」だけのシンプルなものを機械の横にぶら下げてください。「書く」という行為自体が、管理意識を高めます。
まとめ:1滴の管理が、地球と会社の利益を守る
切削油の濃度管理は、地味で面倒な作業かもしれません。
しかし、その1滴の無駄をなくすことが、ドラム缶何本分もの廃棄油を減らし、CO2削減につながります。そして何より、現場で働く皆様の手を守り、会社の利益を守ることになります。
「濃度管理は地球を救う」。
これは決して大げさな言葉ではありません。今日から、屈折計を覗くその目に、プロとしての誇りを持ってください。
もし、「今の油剤が自社の加工に合っているかわからない」「濃度管理をもっと楽にしたい」とお考えでしたら、ぜひ一度ジュラロンの「最適油剤診断」をお試しください。