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「太陽光パネルを置かない」という脱炭素。「見えない再エネ」の正体を公開しました。

「太陽光パネルを置かない」という、脱炭素。「見えない再エネ」の正体

こんにちは、ジュラロン株式会社です。

昨今、ニュースやビジネスの現場で「脱炭素」「カーボンニュートラル」という言葉を聞かない日はありません。私たちのような製造業にとって、CO2削減はもはや「やったほうがいい社会貢献」ではなく、「やらなければ生き残れない経営課題」になりつつあります。

「工場を持つ企業なら、屋根に太陽光パネルを敷き詰めるのが当たり前」

そんな空気が業界全体に流れる中、私たちは少し立ち止まり、考え抜いた末に「あえてパネルを設置しない」という決断を下しました。そしてその代わりに、本社工場と滋賀工場の全電力を「実質再エネ100%」へ切り替えるという道を選びました。

なぜ、私たちは目に見える設備投資(ハード)ではなく、電気の契約変更(ソフト)を選んだのか。 そこには、設備の廃棄問題に対する私たちなりの「誠実さへのこだわり」と、日本の再生可能エネルギーの未来を見据えた「あえての選択」がありました。

本日は、少し専門的になりがちな電力の話を、経営者としての視点と、現場の想いを交えてお話しさせていただきます。


なぜ私たちは「発電所を作ること」を躊躇したのか

脱炭素プロジェクトが発足した当初、私たちの会議室でも、当然のように「自家消費型太陽光発電」の導入が議論されました。

「工場の広い屋根・敷地を使わない手はない」 「電気代の高騰リスクも抑えられる」

ご提案にいらっしゃった多くの業者様は、非常に情熱的にシミュレーションを提示してくださいました。太陽光発電自体は、エネルギー自給率の低い日本において極めて重要な技術であり、素晴らしいソリューションです。

しかし、導入決定のハンコを押す直前、どうしても拭いきれない一つの問いが浮かび上がりました。

「このパネルたち、20年後に役割を終えたら、誰がどうやって土に還すんだ?」

太陽光パネルの寿命は一般的に20年から30年と言われています。発電している間はクリーンですが、寿命を迎えた時、それは巨大な産業廃棄物となります。 もちろん、リサイクル技術は日々進化しています。適切な処理ルートも整備されつつあります。

ですが、私たちジュラロン株式会社のものづくりの哲学として、「製品だけでなく、それを作るための道具の『最後』まで責任を持ちたい」という想いがあります。 現時点において、使用後のパネルが環境に一切の負荷をかけずに100%循環するスキームが、私たちの納得できるレベルで完全に確立されているかというと、正直なところ、まだ「発展途上」であると感じてしまいました。

「環境のために導入した設備が、将来、子供たちの世代に『処理の難しいゴミ』として残ってしまっては本末転倒ではないか?」

そう考えた時、私たちは「今、無理に設備を持つ(所有する)必要はない」という結論に至りました。 設備を持たずとも、クリーンなエネルギーを使う方法はあるはずだ。そうして辿り着いたのが、「既存の送電網を使いながら、電気の『価値』だけを正しく選ぶ」というアプローチでした。

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解決策は「電気の価値」を買うこと。国の制度「非化石証書」とは?

私たちが導入を決めたのは、国の制度に基づいた「非化石証書」を活用した電力プランです。

「電気なんて、コンセントを挿せばどれも同じでしょ?」と思われるかもしれません。物理的にはその通りです。しかし、電気には目に見えない2つの価値があります。

  1. 電気そのものの価値: 照明をつけたり、機械を動かしたりするエネルギーとしての価値。

  2. 環境価値: 「CO2を出さずに発電された」という価値。

通常の電気は、この2つが混ざり合っています。そこで国(日本卸電力取引所:JEPX)は、再エネで発電された電気から「環境価値」だけを取り出し、「証書(非化石証書)」として取引できる仕組みを作りました。

私たちは、電力会社を通じてこの「証書」がセットになった電気を購入しています。 これにより、本社工場と滋賀工場で使う電気は、「実質的に再生可能エネルギー100%」であると見なされます。

ここで重要なのは、これが「自称エコ」ではないという点です。 RE100CDPといった厳格な国際イニシアチブ、さらには日本の省エネ法の報告においても、「再エネ使用」としてカウントされる国のお墨付きを得た正規の手続きです。

屋根にパネルがなくても、書類上も実態としても、私たちは胸を張って「クリーンな電気で工場を動かしている」と言えるのです。

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「原発なし」かつ「補助金なし」。私たちがこだわった電気の『質』

さらに今回、私たちは単に「証書付きなら何でもいい」とは考えませんでした。 切り替えにあたっては、供給される電力の「質」、つまり「その電気がどこから、どのような想いで生まれてきたのか」に徹底的にこだわりました。

ここには2つの大きなこだわりがあります。

① 自然由来への回帰(非・原子力という選択)

「CO2を出さない電気(非化石電源)」には、実は原子力発電も含まれます。 原子力も低炭素社会の実現には必要な技術の一つであり、否定されるべきものではありません。しかし、私たちジュラロン株式会社は、自然と共生するものづくりを志す企業姿勢として、今回は「太陽光・風力・水力・バイオマス」といった、純粋な自然エネルギー由来のものを使いたいと強く願いました。 そのため、契約プランでは「再エネ指定(原発を含まない)」を明確にしています。

② FITから非FITへ。再エネの「自立」を支えるパトロンになる

ここが少し専門的ですが、今回の最大のポイントです。 再生可能エネルギーには、「FIT電気」「非FIT電気」の2種類があります。

  • FIT電気(固定価格買取制度): 国が定めた価格で電力会社が買い取る制度。その原資は、国民全員が支払っている「再エネ賦課金」です。つまり、補助金によって支えられている「保護された再エネ」です。

  • 非FIT電気: 国の補助や賦課金に頼らず、発電事業者が自立して市場で取引している電気。つまり、「独り立ちした再エネ」です。

FIT制度のおかげで、日本の太陽光発電は爆発的に普及しました。しかし、いつまでも補助輪(賦課金)をつけていては、真に持続可能な産業とは言えません。 これからの日本に必要なのは、補助金がなくてもビジネスとして成立する「強い再エネ」です。

今回、私たちが選んだのは「非FIT」由来の電気です。

割高になる可能性もありましたが、私たちはあえてこちらを選びました。 なぜなら、企業が「非FIT」の電気を積極的に買うことが、再エネ事業者への直接的な支援となり、補助金頼みの構造から脱却する後押しになるからです。

私たちは電気代を払うだけでなく、その対価として「日本の再エネ産業の自立」に投票しているのです。

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本社と滋賀、2つの心臓部が変わるインパクト

今回の切り替えは、小さな倉庫一つで試したわけではありません。 ジュラロン株式会社の生産の要である「本社工場」「滋賀工場」の2拠点同時に導入しました。

製造業にとって、工場の電気代は莫大なコストです。そのすべてを再エネプランに切り替えることは、経営的にも大きな決断でした。 しかし、世界的にScope2(自社が購入した電気・熱の使用に伴うCO2排出)の削減が求められる中、小手先の対応でお茶を濁す時間はもうありません。

「やるなら、徹底的に、正直に」

この決断により、当社の主力製品の製造プロセスにおける電力由来CO2は実質ゼロとなりました。これは、私たちのお客様にとっても、「ジュラロン株式会社の製品を使うこと=サプライチェーンでのCO2削減に貢献すること」という新たな価値につながります。

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設備を持たないからこそ、変化に強く、誠実であれる

「屋根・敷地にパネルがない工場が、本当にエコなの?」

もしそう聞かれたら、私たちは自信を持って「はい」と答えます。 設備を所有することだけが正義ではありません。技術革新のスピードが速い現代において、あえて「持たない経営」を選択し、その時々で「最も質が高く、最も環境負荷の少ないエネルギー」を柔軟に調達し続ける。

それもまた、一つの賢い脱炭素の在り方だと信じています。

もちろん、将来的にパネルのリサイクル技術が確立され、私たちの基準をクリアすれば、その時は喜んで屋根・敷地をお貸しすることになるでしょう。 手段にはこだわりません。こだわるのは、「未来に対して嘘をつかないこと」だけです。

ジュラロ株式会社はこれからも、国のお墨付きである「非化石証書」と、未来志向の「非FIT電気」を活用し、誠実なものづくりを続けてまいります。


 本社・滋賀工場の全電力を「実質再エネ100%」へ。太陽光パネル設置を見送り、あえて「非FIT・非化石証書」を選んだ理由とは。設備を持たずに国の制度で実現する、ジュラロン株式会社の「嘘のない脱炭素」への挑戦。

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