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「よくあるご質問(FAQ)」【トラブル対策編】現場で起こる「腐敗・錆・泡」の根本原因と対策
【トラブル対策編】現場で起こる「腐敗・錆・泡」の根本原因と対策
なぜクーラントは臭くなる?なぜワークが錆びる?なぜ泡が消えない?
現場を悩ませる三大トラブルのメカニズムを解明し、油剤の選定から日常管理まで、明日から実践できる具体的な対策を解説します。
🔧 使用者向けFAQ
Q1. 月曜の朝、工場のドアを開けるとクーラントの酷い「腐敗臭」がします。
A. 機械停止中に「嫌気性菌」が繁殖していることが原因です。
原因
- 週末など機械が停止し、クーラントの循環が止まると液中の酸素が欠乏
- この環境を好む嫌気性菌が、油剤の成分や混入した油を分解
- 卵が腐ったような悪臭(硫化水素)を発生
対策
- 殺菌・抗菌性能の高い油剤を選ぶ
- 定期的に浮上油を除去する
- 休日もタイマーで短時間循環させる
Q2. 梅雨の時期になると、加工後のワークや機械テーブルが「錆び」やすくなります。
A. 高湿度が原因で、クーラントの水分が蒸発しにくくなるためです。
原因
- 湿度が高いと、ワークに付着したクーラントが乾きにくい
- 長時間濡れた状態が続く
- 油剤の持つ防錆成分(防錆皮膜)が十分に機能する前に錆が発生
対策
- 防錆性能がより強力な油剤に変更する
- 濃度を少し高めに管理する
- 加工後に防錆油を塗布する工程を追加する
Q3. 高圧クーラントを使うと「泡」がタンクから溢れてしまいます。
A. 液中に激しく空気が巻き込まれることが直接の原因です。
原因
- 高圧で噴射されたクーラントが液面に叩きつけられる際に大量の空気を巻き込む
- 油剤の消泡性能が低いと、この泡がなかなか壊れず蓄積
対策
- 消泡性に優れた油剤を選ぶ
- 液面からノズルの高さを調整する
- タンクの液量を規定値以上に保ち、ポンプが空気を吸わないようにする
Q4. 作業者の「手荒れ・皮膚炎」が問題になっています。油剤が原因でしょうか?
A. 可能性は高いです。主に「アルカリ性」と「殺菌剤」が刺激の原因となります。
原因
- 水溶性切削油剤は防腐・防錆のために強いアルカリ性(pH9~10程度)に調整
- 皮膚の油分を奪い手荒れを引き起こす
- 一部の殺菌剤にアレルギー反応を示す人もいる
対策
- よりpHが中性に近い油剤や、刺激の少ない殺菌剤を使用した製品を選ぶ
- 保護クリームの塗布や耐油性手袋の着用を徹底する
Q5. クーラント液が、白濁したり茶色く変色したりするのはなぜですか?
A. 「バクテリアによる乳化破壊」または「作動油などの異種油の混入」が主な原因です。
原因と症状
- 白濁した油が分離して浮いてくる場合:バクテリアが油剤の乳化構造を破壊
- 液全体が茶色っぽくなる場合:摺動面油や作動油、防錆油などが混入し、酸化・劣化
対策
- いずれも液性能の低下を示すサイン
- 浮上油の除去
- ひどい場合は液交換が必要
📋 まとめ
これらのトラブルは適切な油剤選定と日常管理により予防可能です。現場の状況に応じて、最適な対策を実施しましょう。