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「よくあるご質問(FAQ)」【選定・切り替え編】自社に最適な油剤の見つけ方と失敗しない変更手順
【選定・切り替え編】自社に最適な油剤の見つけ方と失敗しない変更手順
切削油剤の選定は、加工品質と生産性を左右する重要な要素です。エマルション、ソリュブル、シンセティックなど、様々な種類がある中で、どれを選べば良いのでしょうか?
本記事では、材質、加工方法、法令対応など、自社に最適な油剤を見つけるための選定基準と、トラブルなく性能を発揮させるための正しい切り替え手順を詳しく解説します。
使用者向けFAQ(5選)
Q1. エマルション、ソリュブル、ソリューション…種類の違いがよく分かりません。
A. 主に「潤滑性能」と「冷却・洗浄性能」のバランスが異なります。
種類 | 外観 | 特徴 | 適用加工 |
---|---|---|---|
エマルション | 乳白色 | 潤滑性能が最も高い | 重切削・難削材加工 |
ソリュブル | 半透明 | 潤滑性と冷却性のバランス良好 | アルミ加工・汎用マシニング |
ソリューション | 透明 | 冷却性・洗浄性が最も高い | 研削加工・切り屑排出重視 |
加工内容や材質に応じて、これらの特徴を理解して選ぶことが第一歩です。
Q2. 鉄、アルミ、ステンレスなど、複数の材質を同じ機械で加工します。油剤はどう選べば?
A. 「加工条件が最も厳しい材質」に合わせるか、「幅広い材質に対応する汎用油剤」を選ぶかの二択です。
選定のポイント
- ステンレス加工がある場合:極圧性能を持つ油剤が必要
- アルミ加工がある場合:変色防止機能の確認が必要
- 推奨解決策:広範囲対応型のソリュブルタイプが主流
近年は、様々な材質で高い性能を発揮できるよう設計された「広範囲対応型」のソリュブルタイプが主流になっています。
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Q3. トライアル(お試し)で油剤を評価する際、どこを見れば良いですか?
A. 「短期的な性能」と「長期的な安定性」の両面から評価することが重要です。
短期評価(即座に確認)
- ✅ 工具寿命
- ✅ 加工面の品位
- ✅ 泡立ちの有無
- ✅ 肌への刺激
長期評価(1ヶ月以上継続)
- ✅ 腐敗のしにくさ
- ✅ pHの安定性
- ✅ 浮上油との分離性
- ✅ 機械の汚れ具合
⚠️ 注意点
短期的な加工性能だけで判断すると、後々の管理で苦労することがあります。
Q4. 他メーカーの油剤に切り替える際、混ぜて使っても大丈夫ですか?
A. 絶対に避けてください。予期せぬ化学反応で、重大なトラブルを引き起こす可能性があります。
混合による危険性
- ❌ 乳化破壊による成分の分離
- ❌ 固形物の析出
- ❌ 腐敗の急激な進行
正しい切り替え手順
- タンクの完全洗浄
- 古い液の完全排出
- 新しい油剤の投入
Q5. 環境負荷や法規制(PRTR法など)を考慮した油剤選びのポイントは?
A. メーカーから「SDS(安全データシート)」と「該非判定書」を取り寄せ、内容を確認することが基本です。
確認すべき書類
- SDS(安全データシート):含有化学物質・法規制該当状況
- 該非判定書:各種法規制への適合状況
チェックポイント
- ✅ PRTR法該当物質の有無
- ✅ 有機則該当物質の有無
- ✅ 特化則該当物質の有無
- ✅ 塩素フリー対応
- ✅ PRTRフリー対応
💡 ポイント
環境対応を謳う製品を選ぶことは、将来的な規制強化へのリスクヘッジにも繋がります。
まとめ
切削油剤の選定と切り替えは、以下の要素を総合的に判断することが重要です:
- 加工条件に適した種類の選択
- 材質特性への対応
- 短期・長期両面での性能評価
- 安全な切り替え手順の実施
- 環境・法規制への適合
適切な油剤選定により、加工品質の向上と生産性の最大化を実現しましょう。
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